初夏〜夏の食彩
「麦いか」〜ツツイカ目アカイカ科〜
麦の実る6月から7月に獲れる体長20センチにも満たないようなスルメイカの子供を「麦いか」といいます。この麦いか、刺身でも、煮ても、串揚にしても、とにかくとても柔らかくて美味いんです、甘いんです、旨いんです!!
(佐渡の麦いか)
「ダルマイカ」〜ツツイカ目ヤリイカ科〜
アカイカ、シロイカ、マルイカ、ブドウイカなど呼ばれ方は様々ですが、丸みを帯びたその体から市場では「ダルマイカ」と言います。しかし、標準和名は「ケンサキイカ」です。甘く濃厚な味で、いかの中では一番旨いとされます。身が赤く見えるのは鮮度の良い証拠です。
(九州のダルマイカ)
又、スルメにしたものは「一番スルメ」と呼ばれ高級品扱いされます。色は白く、やわらかく、さきやすく、甘みがあって旨い!醤油漬けにすると柔らかくなり又違った味わいに!
(ケンサキイカのスルメ) (ケンサキスルメのしょうゆ漬け)
「シロエビ」〜十脚目オキエビ科〜
標準和名を「シラエビ」といい、世界的に見ても富山湾以外ではほとんど獲れない珍種です。体長5〜8センチ程で、生きているときは薄いピンク色、死ぬと乳白色になることから「シロエビ」と呼ばれているそうです。刺身、昆布じめ、かき揚げなどにしますが、甘く濃厚な味がします。
(シロエビの剥き身)
「川エビ」〜十脚目テナガエビ科〜
「スジエビ」や「テナガエビ」の事を「川エビ」と呼んでいます。最近ではポピュラーで冷凍物なども出ているようですが、やはりこの時期には生きたものが格別です。中でもテナガエビのメスは絶品!! 唐揚にして食せばパリパリとして口に残らず、甘く美味しい!
(愛媛の「川エビ」体長3〜4センチ、生きている) (唐揚、テナガエビのオスとメス)
スジエビは小型で、大きくなっても体長4、5センチ、それに対してテナガエビは10センチ以上になります。テナガエビのメスは手があまり長くなく体長5センチ以下のものはスジエビと見分けがつきにくいのですが、見分けやすい方法がひとつあります。おでこから突き出ている角、「額角」です。こののこぎりのようなギザギザの本数がスジエビでは6本程度、テナガエビでは10〜18本あります。食べる時に注目してもおもしろいかな?と思います。ついでにもうひとつ。目のななめ後ろ下の所にとげが突き出ていれば「テナガエビ」です。このとげを「肝上棘」といいます。

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