初夏〜夏の食彩
「ゴマフグの白子」
「ゴマフグ」は皮にも毒があり、食べることが出来るのは身と白子のみです。そしてこの「白子」が入ってくるのが6月から7月の時期だけです。「白いダイヤ」とまでいわれ珍重されているこの白子、実にうまいです!
(山形、ゴマフグの白子)
「生ウニ 」・北紫海胆(キタムラサキウニ) ・蝦夷馬糞海胆(エゾバフンウニ)
〜棘皮動物門ウニ綱エキヌス目オオバフンウニ科〜
ウニといえば北海道、北海道のウニといえば「キタムラサキウニ」と「エゾバフンウニ」です。私達が食用としているのは卵や精子が作られる生殖巣という部分です。一年を通して食べられますが産卵期直前の初夏から夏がいちばん美味しいとされています。イガウニの状態で入荷するのが良いのですが開けてみないと良し悪しがわからないので「箱の生ウニ」を仕入れています。現在、ウニの加工技術はかなり高いレベルにあり、流通手段の発達も併せて、より早く、より新鮮な状態で入荷されるので、よりおいしいものが提供できるわけです。
なかでも北海道産の厳選されたキタムラサキウニを扱う羽立水産梶uはだての生ウニ」、北海道産のみならずロシアなどの外国産も積極的に扱う鰹ャ川商店「小川の生うに」が有名です!
(はだての生うに「キタムラサキウニ」) (小川の生うに「エゾバフンウニ」北方四島産)
「真海鞘(まぼや)」
〜脊索動物門ホヤ綱側性ホヤ目マボヤ科〜
「海のパイナップル」と呼ばれるこの「マボヤ」は天然物を食べたいなら旬である夏頃が良いが、入荷は少なめでほとんどが養殖物です。味に関しては好き嫌いの分かれるところですが、最近では大衆的になってきたことは確かです。ホヤは「保夜」とも書き、精力がつくみたいなので、夏バテによいかもしれませんね。
この生き物はちょっと変わっていて子供の頃は人間の脊椎にあたる脊索というものが存在し、おたまじゃくしの様に泳いでいます。やがて成長するにつれて変態し岩などに付着して写真のような形になります。このときにはもう脊索は消えています。分類学上でいえば貝類やいか、たこなどの軟体動物よりも人間に近い存在だそうです。
(青森の天然マボヤ)
「海藤花(かいとうげ)」
マダコやミズダコなどは頭の中に卵を持ち、やがて海藻などに産み付ける。これが藤の花に似ているので「海藤花(かいとうげ)」と呼ばれています。要するに「タコの卵」です。市場では、卵が頭に入っているときに取り出され、左写真の様に袋状になったものが売られています。その袋を割いて右写真の様に煮付けます。