一昔前まで、家をつくるときには近くの大工さんに頼むのが当たり前でした。土地の人々の暮らし方を理解し、家の造り方を心得ていたからです。
高度経済成長前後から、都市化により人々の暮らしや家のつくりは多様化しました。そのため、私たちは住まいの本質を見失いがちですが、住まいは人間の誕生から死までの生活の場です。

木を組み上げる建前 |

墨付けで、木は二度目を生きる
日本の伝統である“木の文化”は大工の技術に受け継がれ、100年持つのは当たり前の民家に見ることができます。
山の樹を伐り、その木を大切に活用する技のひとつが継手・仕口です。長手方向の接合を継手、直交する接合を仕口と呼びます。接合するとその精巧な技は内包され、まさに大工の心が組み込まれているようです。
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