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平成16年 9月
一般質問会議録
鳥居のぶあき
飯能市議会議員
    ◎市政に対する一般質問(鳥居誠明議員)
┌─────────────┬──────────────────────────┐
│   質 問 事 項        │        質  問  要  旨                 │
├─────────────┼──────────────────────────┤
│1 産業の活性化計画について│(1)企業誘致策について                         │
│                     │  (イ)企業立地調査委員会の検討状況、目標について     │
│                    │   (ロ)優遇策について                           │
│                    │(2)エコツーリズムについて                        │
│                    │  ・具体的な進め方について                      │
│                    │(3)花のまちづくりについて                       │
│                    │  ・具体的な進め方について                      │
│                    │(4)活性化案策定に地元大学を有効活用する件について   │
│                    │                                        │ 
│2 道路問題について      │(1)国道299号吾野地区のガード拡幅について         │
│                    │(2)県道富岡・入間線、阿須地区のガード拡幅について    │
└─────────────┴──────────────────────────┘
△議長(浜中 勇議員) 次に、8番 鳥居誠明議員
●8番(鳥居誠明議員) 議長のお許しをいただきましたので、通告順に従って一般質問をさせていただきます。
 まず、産業の活性化計画についてであります。その中の企業誘致について。
 住みよいまちというのはそれぞれに解釈があると思いますが、高齢者、障害者、児童などの福祉、自然環境、区画整理、道路整備、上下水道、教育などが充実していることが挙げられると思いますが、何をやるにしても、限られた財源という問題はどの時代でもついてまいります。したがって、どれだけ自主財源を持っているか、またふやすことができるのかということが住みよいまちづくりには欠かすことのできない重要な要素であると考え、私はこれまでの議会で第3次総合振興計画の中にある活性化計画を中心に一般質問させていただいております。
 企業誘致関連については、過去5回質問させていただいておりますが、少しずつ進展しているようですが、具体的には見えてきておりません。企業誘致は他の自治体との競争ですから、他市よりすぐれた条件がなければ企業は飯能に進出してはくれません。飯能においては、本年3月議会の私の質問に対して、平成16年度から企業立地調査委員会を設立し、大山助役が委員長となって関係部課長12名程度で目的達成まで取り組むという答弁がありましたが、その後どのような検討が行われ、どのような目標を立てられたのかお尋ねいたします。
 昨年10月8日、飯能市議会総務委員会は、函館市における企業誘致の取り組み方を視察に行き、その報告書が提出されております。それによりますと、函館市は首都圏にある企業の訪問を行うとか、企業誘致の資料を作成し、懇談会などでの情報提供に使用したりしています。また、企業誘致推進協議会をつくり、ここでも資料を作成し、宣伝するとか、企業訪問や企業立地セミナーを開催するなどしているとのことであります。函館市のこのような動きが飯能市でも必要ではないかと考えますが、この点、市としてはどのように考えているのかお尋ねいたします。
 また、他市との競争には優遇税制や助成金制度などの条例も必要ではないかと提案いたしましたが、その点について、近隣自治体ではいろいろな策が講じられておりますが、当市としても可能な策があるのではないかと考えますが、この点どのように検討されているのかお尋ねいたします。
 企業誘致の実績をいつごろまでにどの程度の成果を出そうとしているのか。つまり、年度別の企業数、就労者数、歳入の増額目標などの盛り込まれた計画を立てなければいけないのではないかと考えますが、つまり、数値目標が市の計画案にないように思います。この点についてどのように考えているのかお尋ねいたします。
 続いて、エコツーリズムについてであります。この計画において、事業費は1,000万円を3年間、3,000万円で、その2分の1は国の補助金とのことでしたが、具体的にはどのようなことに使用されるのでしょうか、お尋ねいたします。また、事業としては具体的にどのようなことが考えられるのか。先ほど小見山議員への御答弁の中で市長が一部お答えいただきましたが、さらに、具体的なことがお聞かせいただけたらお願いいたします。そして、国が目指してるエコツーリズムというのは、1 環境の保全、2 観光産業、3 地域振興、この3つの融合であります。つまり、飯能市として環境を保全しながらいかに収益、歳入を上げていくかということであります。この点について市の基本的な考えをお聞かせください。
 本年7月24日、富士見公民館において市民環境会議でエコツーリズムについての説明会が行われましたが、今後はそのとき講師を務められた方と市が計画を進めていくと話され、その中では、林業、清流や文化などがうたわれておりましたが、インターチェンジ周辺の観光農園や直売所など、農業の内容は含まれておらず、第3次総合振興計画にもうたわれているので、ぜひ盛り込んでほしいと考えておりました。しかし、昨日の質疑の答弁の中で、農業も考えているとのことでしたので、具体的にどのような地域でどのような内容でと考えておられるのかお尋ねいたします。
 エコツーリズムでは、ツアーをコーディネートする組織・団体が重要な位置を占めるものと考えますが、これまでの市の話では、市民団体、民間を中心に企画・運営を進めていこうとしているように感じられますが、特定の企業や市民団体だけで、飯能市全体の観光ツアーの企画・運営をしていくということは、利益優先に偏った企画・運営になる危険性があり、私は反対で、行政担当者が参画した組織にするべきであるという意見であります。この点について市はどのように考えているのかお尋ねいたします。
 産業の活性化計画の3番目として、花のまちづくりについてであります。
 今回市から提示された場所は、美杉台公園の北側の山林に桜を植樹し、まちの活性化を図るということであります。私としては、この場所は駅から歩いて20分程度でしょうか。時間的にもそれほどかかるような距離でもなく、面積も5.2ヘクタールで、ある程度の広さがあり、企画・運営次第で集客力が見込めるのではないかと思います。二、三日前、ある市民の方からお電話をいただきました。その方のお話では、この桜の森の地には、トウキョウサンショウウオが生息しているとのことでした。そこで私も一昨日その現場を歩いてみました。舗装された遊歩道を少し足早に歩いて三、四十分でしょうか。ゆっくり歩くと小一時間で一回りできる広さで、周囲はクヌギ、ナラなどの雑木が多く、杉、ヒノキもあり、桜の木もかなりの数見ることができました。資料によりますと、トウキョウサンショウウオの産卵には、死水、いわゆるたまり水が必要で、生育したものは広葉樹のある土地で直接日の当たらないような場所が必要だそうであります。したがって、対象の山すべて桜の植樹をするというのではなく、雑木林の区域を残したり、トウキョウサンショウウオの生息区域には桜の植樹をしないで、他の遊歩道の地域を中心に桜を植樹するようにしたらよいのではないかと思います。また、桜の木は虫による被害も多いと思いますが、消毒をしないで、例えば鳥を使ったりして、虫からの害を防ぐとの方策もあるのかと思いますが、この点、検討されているのでしょうか、お尋ねいたします。いずれにしても、専門家の調査・検討をした上で進めていただきたいと思います。
 先ほどのエコツーリズムのところでも述べましたが、環境を保全しながら、いかに収益、歳入を上げていくかということが大切なことであると思います。どちらかをとってどちらかを捨てるという二者択一ではなく、共存させていくということがこれからの飯能市としてのあり方と言えるのではないかと思います。この点について市の考え方をお尋ねいたします。
 また、飯能桜の森は公園として1年じゅう開放するのか。桜の期間限定の開放となるのでしょうか、お尋ねいたします。また、春以外にも秋の紅葉を考慮して公園整備を進めていくこともあってよいのではないかと思います。これらの設計、周辺計画などの企画・運営や道路問題、商店街の活性化、入園料、駐車場などでの収益を上げ、歳入をどのようにしてふやすのかということについては検討されているのでしょうか、お尋ねいたします。また、運営は飯能桜の森委員会で今後の検討計画を進めているようですが、委員会役員は県及び市の職員、商工会議所、JC、商店街代表、地元自治会長や観光協会、多摩森林科学園などの専門家及び寄附者の飯能信用金庫などで構成されておりますが、市はどのような関係、立場で今後どのようなかかわり方をしていくのか。また今後周辺住民に対する説明会などは予定されているのか。一般市民への周知などはどのように行おうとしているのかお尋ねいたします。
 最後に、活性化案を策定する際には地元大学を有効に活用する件について、であります。
 市としての施策の基本計画は3次総振でありますが、これをもとに立案し、実施計画を立て、実施して見直しをするというステップがありますが、実施計画等、これらの段階、特に最初の立案の段階で地元の大学とは現在どの程度かかわりを持ちながら進めているのでしょうか、お尋ねいたします。
 入間市を含む地元の中小企業経営者と駿河台大学の先生方およそ20名ぐらいで、駿大地域フォーラムと銘打って学生の勉学支援というより、地域の活性化をテーマに意見交換や職業体験、いわゆるインターンシップを進めるとか、地域通貨の推進など、その他にも幾つかの案を持ち出し、行動して、地元との連携を進めております。この駿大地域フォーラムには、入間市の職員の方が数名参加しており、大学側とアイデアを出し合い、まちづくりに活用し、積極的に取り組んでいこうという意欲が感じられます。駿河台大学には経済学部もあり、その先生方は、まちづくりについては日本のみならず、世界のまちを詳しく研究、分析されております。ある先生は、飯能市の中心商店街の研究をされるとか、原市場地区の特徴を分析され、その講演もありました。これらの話はぜひ市の職員の方にも聞いていただきたかった内容で、今後のまちづくりに参考になったのではないかと思います。現在、一部市の審議会や会議などに駿河台大学の先生に参加していただいていることは存じておりますが、飯能市の活性化案をつくる際に、このような先生方の知識を有効に利用させていただくとか、提言をいただくなどをすべきではないかと考えますが、この点について市としての考えをお聞かせください。
 2つ目に道路問題、国道299号吾野地区のガード拡幅についてであります。
 国道299号は、平成17年度八高線部分の陸橋工事が終了するとバイパス工事は全面的に完成することになります。市街地の東西方向に対する交通対策としては非常に大きな成果であり、市・県の努力を高く評価するところであります。このバイパス工事が完成すると、国道299号で飯能市から秩父市まで行くのに安全性で問題の残る箇所としては、飯能市分としては、吾野地区の西武鉄道と立体交差している部分3カ所のガードであると思います。まず、市街地から吾野方面に行くと坂石町分の東側端にあるガード、次に坂石町分のガソリンスタンドを過ぎて吾野のバイパス手前のガード、それと消防分署の先で、旧299号と合流した先にあるガードの3つについてであります。これらはいずれもガードの幅が狭く、相互通行する際に危険を感じております。特に2番目のガードは、私自身、秩父からの帰り道など、ガードの手前で待っていると、先が見えないので対向車が通り過ぎたかと思い少し出てみると、後続車が続いてひやっとしたことが何度かあります。これら3カ所のガードを拡幅する件については以前にも話が出ていたと思いますが、どのように検討されたのか。また、今後市としてどのように進めていこうとしているのかお尋ねいたします。
 最後に、県道富岡入間線阿須地区のガード拡幅についてであります。
 これは、阿岩橋を岩沢側から渡って県道にぶつかり、右に曲がったすぐのところにあるJR八高線と交差するガードですが、ここも幅が狭く、対向車が来ると相互通行が危険な箇所であります。この場所についても以前から要望は出されていると思いますが、市としてどのような検討をされたのか。また、今後どのように進めていこうとしているのかお尋ねいたします。
 以上で1回目の質問を終わります。
△議長(浜中 勇議員) 答弁に入ります。
 市長
○市長(沢辺瀞壱君) 鳥居誠明議員の一般質問に、私からは、1 産業の活性化計画について、(1)企業誘致策について、企業立地調査委員会の検討状況、目標について、優遇策について、(2)エコツーリズムについて、具体的な進め方について、お答えをさせていただきます。
 初めに、(1)企業誘致でございますけれども、企業立地調査委員会の検討状況でございますけれども、昨年の10月に精明東部で特定施設誘導地域の指定を受けましたことによりまして、企業誘致できるスタートラインについたというふうに思っているところでございます。こうした中で、本市では、市域における企業誘致の効果的な、あるいは円滑な推進を図るために、4月に庁内に助役のほか関係部署の職員などによりまして組織する企業立地調査委員会を設置いたしまして、現在まで3回の委員会を開催し、企業誘致に関する事項について調査・検討を始め、あるいは担当において企業訪問を行っているところでございます。
 委員会での検討状況につきましては、特定施設誘導地域につきましては、地域の指定を受ける際に、あらかじめ地域へ誘導を図る業種を限定しておりますので、それを踏まえまして、現状の分析、あるいは企業からの相談内容の確認、検討等を進めております。また、特定施設誘導地域に限定せず、本市全般についての企業誘致を検討してまいりたいと考えており、都市再生機構による大河原地区の大街区の土地利用につきましても期待をしているところでもございます。そうした中で、より多くの優良企業に進出していただくよう、そのことが地域の活性化につながっていくものと考えているところでございます。現在までのところ、本市への進出が決定した企業はございませんが、1社でも2社でも誘致が実現できますように、引き続き企業訪問等を行い、積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
 次に、企業誘致に関する優遇策についてでございますが、本市の状況についてみますと、近年、事業所、その中でも特に規模の大きな事業所が減少し、雇用の場が少なくなってきております。本市の統計で見てみましても、本市から市外へ出ていく流出人口がふえ、市外から本市へ入ってくる流入人口が減ってきている状況でございます。さらに、第4次総合振興計画の市民意識調査でも、若い年代ほど定住意識が低く、交通の便がよくない、あるいは学校や職場が遠いなどの理由から、市外への移転を希望している人が多いことも読み取れます。本市におきましても、若年層が市外へ流出していく状況にあるわけでございます。こうした中で、市内へ雇用の場を確保し、地域住民の定着率の向上と若年層の雇用拡大や流出防止を図り、地域経済を活性させる方策の1つとして企業を誘致していく必要があります。
 優遇策につきましては、企業立地調査委員会におきましても検討いたしておりますが、優遇策を実施している各自治体の例を調査したり、あるいはどのような優遇策を本市がとれるかどうか。そうすれば企業が立地しやすくなるのか等を現在検討しているところでございます。優遇策の例としては、一般的には、例えば固定資産税相当額を進出への奨励金にする方法ですとか、あるいは進出に要した借入金に対して一部補助をするとか、利子補助をするとか、そういうようなものが一般的にはあるようでございますけれども、こうしたものが本市にとって有効かどうかというふうなこと、まだ結論は出ておりませんけれども、こういう方法等も視野に入れながら検討していきたいというふうに思っているところでございます。また、これから本市が進めております子育て環境の整備、こうしたようなものを整えること、あるいはまた本市が魅力的なまちであることなども、いろいろホームページ、あるいはパンフレット等を活用してPRしていくことも必要ではないかと思っているところでございます。
 次に、企業誘致の数値目標については、平成8年に3,567カ所ありましたが、平成13年度には3,441カ所となり、5年間で約4%近く減少し、従業員数におきましては、平成8年が2万9,168人でしたが、平成13年度では2万8,619人となり、5年間で約2%減少しているという状況にもあります。
 いずれにいたしましても、こうしたことを踏まえ、これから事業所数、あるいは従業員数並びに企業誘致による税収増等に関する数値目標を盛り込んだ計画について御提案がありましたが、これらについては検討してまいりたいと考えているところでございます。いずれにいたしましても、活性化を図る意味で、大変今いろいろな面で危機的な状況にも陥っているというふうな認識を持っておりますので、それらについてしっかり考えていきたいと、行動していきたいというふうに考えているところでございます。
 次に、エコツーリズムについて、でございますけれども、具体的な進め方でございますが、環境省は、実施に係る事業を専門機関である支援機関に委託をして事業を実施し、国として支援をするということになっています。したがって、国からじかに飯能市に補助金が来るということではなく、市が行う事業の一部を環境省が直接支援機関に業務委託をすると、こういうシステムで補助が行われることになっております。いわゆる国から支援機関に委託をされた業務内容につきましては資源調査、あるいは基本計画案の策定、これらが委託をされます。それから、市では、環境省が業務委託を行う以外のものについて事業を行うという形になるわけでございます。その中には、市で行うものとしてはパイロット事業、あるいはシンポジウムの開催等が含まれてくるというふうに思います。また、3年間の事業でありますけれども、1年目の16年度は資源調査、基本計画の策定、シンポジウムを行うこと。2年目は基本計画の策定、パイロット事業の実施、3年目はエコツアーの実施、内容的にはそんな内容で今検討が行われているところでございます。
 エコツーリズムにつきましては、おただしのように、自然環境、歴史・文化を対象といたしまして、これらを大切にしながら体験し、学ぶとともに、その地域の保全に責任を持つ、そうした観光であると同時に、また地域の活性化を図るものということになっているところでございます。
 また、観光事業におきましては、魅力あるプログラムを開発することによりまして、従来の観光客に加えて、エコツアー参加者の来訪者が期待できて、エコツアーのプログラムによりまして、日帰りの客が宿泊したりするというふうな面でも期待ができるわけでございます。エコツーリズムでは、地域の特色を誘客、お客を呼ぶことに生かすことが重要であり、地域の人材を生かして地場産品をお土産や食材に用いるなど、一般的な観光に比べ、地域への経済的な波及効果は大きいものと考えております。このような効果を上げるためには、エコツーリズムにかかわる住民の方、ガイド、宿泊業者、交通事業者などの多くの方々が相互に関連し合って取り組むことが必要であり、また多くの人に参加してもらえるようなプログラムを組み、エコツアーを行うことが重要であります。今後、実施予定にあります資源調査の結果をもとに魅力あるエコツアーを考えていきたいというふうに思っているところでございます。
 この効果を把握するための数値目標についてでございますけれども、現在は設置しておりませんが、今後策定する基本計画の中で設置をしていきたいと考えているところでございます。
 エコツアーで活用できる資源につきましては、農業をというおただしでございますが、今後、資源調査の中で農業についても大事な資源というふうなものに加えられるものと思います。また、農業体験とともに、お土産品ともなる農産物の直売所、これはどこでどういうという具体的なもの等はこれにまだ入っていないと思いますが、これらにつきましても、資源調査で検討されるものと思いますし、また農産物の販売については経費のかからない、いわゆる庭先販売などの地域の人と相談をしてみる必要もあると思っておるところでございます。
 推進組織につきましては、本年度推進協議会を立ち上げるために、学識経験者、NPO、市民団体、企業、各種団体、行政などによる準備会を設置する予定でございますが、準備会では事業の目的、基本方針、協議会のメンバーなどを検討し、来年3月に推進協議会を発足したいと考えておりますが、おただしのように、利益優先、あるいは偏った企画・運営にならぬよう、行政もこれにしっかりかんで参画をしてまいりたいと考えているところでございます。
△議長(浜中 勇議員) 市民生活部長
○市民生活部長(小谷野重之君) 1 産業の活性化計画について、(3)花のまちづくりについて、(4)活性化案策定に地元大学を有効活用する件について、にお答えいたします。
 初めに、花のまちづくりの具体的な進め方についてお答えいたします。
 この事業につきましては、中心市街地における産業、商業を初め、市内の商業が低迷を続けておりまして、自治体運営につきましても、今後はより一層の厳しさが予想されておりますことから、これからの飯能市を活性化させるための一方策として、恵まれた自然環境の保全に配慮しながら、観光資源として磨き上げを行いまして、観光の振興を図ることにより、地域経済を活性することが最大の目標となっております。
 事業の概要につきまして、既に一部報道がなされておりますが、改めて申し上げますと、現在、桜の種類でございますが、400以上あるそうでございます。有名なソメイヨシノ以外は、余り知られていないのが実情でございまして、そこで美杉台の緑地の一部5.2ヘクタールを利用いたしまして珍しい種類の、しかも開花の時期が異なる桜をえりすぐりまして、植樹をする部分とその他の桜をえりすぐりまして事業を進めていこうとするものでございます。
 この計画に当たりましては、現在ある樹木をすべて伐採いたしまして、あるいは切り土をいたしまして、また盛り土をいたしまして、こういうことは一切考えておりません。現在の生態系をすべて破壊する、これも一切考えておりません。どの部分の樹木をそのままにするのか事前に既存動植物の調査を行いまして、環境保全にも配慮した事業計画書を作成いたします。方法等によりまして、ボランティアの手もかりながら進めることとなります。植える部分と植えない部分、残す部分と植樹する部分というのが今後どのようになるのか、策定委員会の中で検討を進めてまいりたいと考えております。
 おただしの中で、害虫、桜の木は非常に虫が多いということでおただしがございました。この虫の件につきましても、殺虫剤、こういうものは一切使わない方向で考えております。関係職員、二度ほどにわたりまして、多摩の森林科学園に視察に参りました。その中でぐるっと場内を業務課長に御案内いただきましたが、結構広い炭焼き小屋がございました。これは炭を焼いて商品にして売るということではないそうです。森林科学園につきましては、ただ桜というだけではなくして、いろいろな動植物がいる。イノシシを初めとして、いろいろな動植物がいるということで、それぞれ専門の先生方がこれを管理しているということと聞いております。それぞれ専門の先生方は、桜の害虫にこの殺虫剤を用いますと、動植物も死滅してしまうということで、殺虫剤は一切使わせないと聞いております。では、それらの予防はどうするのかと申しますと、炭焼きで出ました炭というのが酸性度、ペーハーが非常に強いということで、これを桜の木の根の周りにぐるっとまいておきますと病害虫が寄りつかない。このために炭焼き小屋があると。そういうふうに聞いております。それからもう1つは、害虫を駆除するには、巣箱ですね。木に巣箱を大分たくさんつけます。それによって、鳥によって害虫を駆除すると。こういうことがよいと、こういうふうに聞いております。
 それから、草花の関係でございます。中央の低地部、これは、現在雑草となっております。四季折々の草花を育てることによりまして、全体として年間を通じて花を育てることができる植物園を目指しております。この事業の背景には、桜の専門家でございます八王子市のただいま申し上げました多摩森林科学園の業務課長をされています石川敏雄先生に顧問として参画をいただいておるところでございます。桜の森におきましては、草花の育て方についての講習会、あるいは草花の販売なども行って収益を上げること、あるいは周辺に新たな出店を促すことなども考えております。将来的には観覧のための用地につきましても検討されるものと思います。新たな収益事業によります産業の活性化が図れるものと思っております。
 この場所でございますが、飯能駅からもほど近い距離にございます。公共交通機関を利用した集客が見込めるものと考えております。飯能駅の北口から中心市街地を通りまして、飯能河原を経まして現地へ行くコース。それから今度は、飯能駅の南口から飯能大橋を通りまして現地へ行くコース。周辺にある店とともに、紹介する案内図を作成してPRを図っていくことも必要かと考えております。
 次に、飯能桜の森委員会でございますが、この委員会、理事制を採用している民間団体でございます。常任理事、理事、顧問、それに桜、森林、生物の専門家の先生方にも参画をいただいているところでございます。ちょっと理事の中に市職員が参画をしておりますが、将来は全くの自立した民間団体として、例えば、NPO法人化をして独立運営を目指す、こういう目標を持っているところでございます。
 なお、伐採の件につきましては、樹木の伐採が行われる場合におきましては、その都度、事前に市の承認を得るよう、委員会との間で契約で規定をしておきたいというふうに考えております。
 なお、飯能市の今後の観光の方向性でございますが、交通問題などの観光公害をなるべく引き起こさないように、複数の特徴ある観光スポットを線で結んだコースを設定いたしまして、公共交通機関利用者が徒歩で楽しめるような事業を推進していきたいと考えております。
 続きまして、(4)活性化案策定に地元大学を有効活用する件についてにお答えいたします。
 一昨年になりますが、市長が中心となりまして、駿河台大学教授、市議会議員、国、県、経済界、労働界から御出席をいただきまして、雇用問題に関する懇談会も開かれたところでございます。昨年度より実施しております単独の緊急雇用事業、就労支援のための労働協会の開設、新規創業支援事業の開催などが駿河台大学教授等からの御意見によりまして具体化をしたものでございます。また、昨年度には、これも市長が中心に経済に関する懇談会を開催いたしまして、駿河台大学教授の御協力と県、市内商工業団体、商店街、経済界、各種団体の皆さんにお集まりをいただきまして、以後懇談を重ねているところでございます。その他に実施となりました地域活性化を目的とした花のまちづくり事業と同趣旨の提案を懇談会でいただいているところでございます。
 今後4総に向けました提言を主体として意見の集約が図られていくものと考えておりますが、さらに、各分野からの御意見、御提案等に耳を傾けまして、市の施策に反映できますものは、できるだけそのように努めてまいりたいと考えているところでございます。
△議長(浜中 勇議員) 建設部長
○建設部長(五十嵐 勉君) 私の方からは2の道路問題について、お答え申し上げます。
 まず最初に、国道299号吾野地区のガード拡幅についてお答え申し上げます。
 吾野地区につきましては、歩道が未整備の西武線のガードが3カ所ございます。特に吾野バイパスの手前のガードは見通しも悪く大変危険なところであります。国道ということでございますので、飯能県土整備事務所に問い合わせをいたしました。吾野バイパス手前のガードにつきましては、以前は改良、要するに拡幅をしないで、手前のトンネルを通すという案であったそうでありますけれども、現在は現道を使ってガードを拡幅するということで決定をしているということであります。そして、ガードの拡幅の工事費用についてでありますが、平成3年に県が試算をしたというところで聞いてまいりました。この試算によりますと、平成3年当時で工事費が12億5,000万円という大変大きな額に上がったということで、現在そのガードの拡幅については休止状態であるということであります。今後といたしましては、施工中のJR八高線の中山陸橋が完成をいたしまして、その次に日高市内の台の工区、延長2,200メートル。場所ですけれども、広域飯能斎場からその先のガソリンスタンドの交差点まで、その間を改良いたしまして、その後、この西武線のガードの拡幅ということで進めてまいりたいというふうに考えているそうです。市といたしましても、できるだけ早く、危険性を伴いますので、着工していただくようにさらに要望してまいりたいと考えております。
 次に、2番目の県道富岡入間線阿須地区のガード拡幅について、申し上げます。
 阿須のガードにつきましては、ガードの手前の前後の歩道整備が完成しておりまして、残すのはこのガードのみとなっております。歩道整備、それから道路改良につきましては計画はありますが、西武線のガードの拡幅と同じように、鉄道に関する工事は多額の費用がかかるということでありますので、県といたしましては、現在の財政状況から見ると非常に厳しいということであります。しかし、この歩道の改良、歩道の設置、こういったものは大変必要性がありますので、市といたしましても、機会あるごとに要望してまいりたいと考えております。
△議長(浜中 勇議員) 8番議員
●8番(鳥居誠明議員) 御答弁ありがとうございました。何点か確認というか、御答弁いただいていないような部分があったのかなという気もいたします。まずその点についてお尋ねいたします。
 花のまちづくりのところだったと思うんですけれども、この桜の森公園として考えておられると思うんですけれども、これを1年じゅう開放する予定なのか。それとも期間限定なのかというところを御答弁いただいていなかったような気がいたします。
 それから、ちょっと話を戻しまして、企業誘致の活性化についてなんですけれども、近隣の自治体においては、この5年間に事業所の数も従業員の数もふえているところが、例えば狭山市・入間市・坂戸市・鶴ケ島市あたりではふえているわけです。先ほどの市長の御答弁では、飯能市は5年間で2%減だというお話がありましたけれども、それではなぜ近隣の市では増加していて、飯能市では減っているのか。この辺のところ、市のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 それから、私は過去にもこの一般質問において数値目標、数値目標ということをかなり掲げさせていただいておりますけれども、この活性化等については、この数値目標ということについては、例えばどの程度、仮に100%達成できなくてもよいのではないかというふうに思っております。数値化されていれば、どの程度達成できたのかという評価だけでなく、目標年次に対しての進捗状況が見えたり、年次当初での計画実現のための方法だとか、力の入れ方等の修正の方針変更も可能になるわけですから。
 それともう1つ、せっかく市の職員の皆様が努力されているにもかかわらず、その成果とか達成度合いが見えないというわけですから、それも非常に残念なことだと思います。ですから、そのためにもぜひ数値目標というものを掲げてやっていただきたい。仮に100%達成しなくても、ああ、そういうことなのかということがわかれば、市民は納得できるのではないかと思います。
 それから、道路問題に関してですけれども、市の方として県の方に要望していくということでありましたので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 それから、先ほどのもう1つ、12億5,000万円というのは、ガード3カ所で12億5,000万円なのか、それとも1カ所で12億……
  (「1カ所」という者あり)
 わかりました。1カ所で12億5,000万円ということですので、大変な費用だというのがわかりました。じゃあ、先ほどの質問した件でよろしくお願いいたします。
△議長(浜中 勇議員) 市長
○市長(沢辺瀞壱君) 鳥居議員の再質問にお答えをいたします。
 企業誘致の関係につきましては、飯能は先ほど統計で申し上げましたように、減っているという状況でもございます。これにつきましては、特に市内にある、いわゆる飯能市としての大手企業がここへ来て軒並み仕事をやめた。あるいはまた移転をしたとか、いろんな原因があって、ここが非常に大きなところだろうというふうに思っております。また、ふえているという企業も、その反面ちょっとないというふうなことでもございますので、今後、この企業誘致は大事なことだというふうに考えているところでございます。
 数値目標については、やはり現在の置かれている状況というものを明らかにし、さらに将来どうなっていくかということを見る上では大事なことかというふうに思いますので、そうした考え方を持って、この企業誘致に取り組んでまいりたいというふうに思っていますので、よろしくお願いいたします。
△議長(浜中 勇議員) 市民生活部長
○市民生活部長(小谷野重之君) 花のまちづくり事業についてお答えいたします。
 年間を通じて花を楽しめることのできる植物園を目指しております。
△議長(浜中 勇議員) 以上で鳥居議員の質問を終わります。