富士川水系の砂金
富士川は、その源を釜無川本谷として南アルプスの甲斐駒ケ岳隣の鋸岳に発し、途中多くの支流を合わせて山梨県甲府盆地を南流します。甲府盆地の南端において笛吹川と合流、その後、身延町にて南アルプスの流れを集めた早川を入れて、静岡県富士市と庵原郡蒲原町の境において駿河湾に注ぐ、一級河川です。
富士川流域と言ったら砂金の世界では本州で最もメジャーな流域のひとつではないでしょうか。古くは戦国時代の武田氏によって、盛んに金鉱山が開発されていた地域でもあります。この流域の鉱脈はいわゆる老脈と呼ばれる、粒の大きな自然金が含まれる鉱石が多いということが特徴です。このことにより選鉱や精錬技術の未熟な時代でも十分に対応できたのでしょうし、開発を容易にした大きな要因だったのではないでしょうか。
武田領最大事には領内におよそ28金山を保持していたといわれますが、そのうち富士川流域には身延町の湯之奥・常葉・栃代・大城の各金山をはじめ南部町の十島金山、早川町に黒柱・保・雨畑金山、北杜市の須玉・斑山、韮崎市に御座石金山等があります。私も現在までに南部町の十島金山以外は周辺流域の砂金を確認しています。
当然、川にもよりますが、実際に砂金採集を試みると大変豊富なことに驚かされます。はるか戦国時代以前から日本の産金地の代表格ということがうなずけます。
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